2018年12月15日土曜日

パーラッケン(Perlaggen)

ワイルドだぜ

パーラッケンは、オーストリアのチロル地方で遊ばれているトリックテイキングゲームです。
ワイルドカードがある珍しいトリックテイキングゲームです。
4人ペア戦になります。
通常のトランプのうち、6~K,A、それ以外は7~K,Aだけを使います。
つまりジョーカー、2~5、♠2~6、♣2~6、2~6を除きます。
使うトランプは全部で33枚になります。
このゲームは時計回りに進行します。
ゲームの目的:ペアで合計18点以上とること。
このゲームではプレイ中でのパートナー同士の会話は自由です。ただし手札を見せ合うことは出来ません。

カードの強さ

各スートの強さは
A>K>Q>J>10>9>8>7>6
です。
またこのゲームには他のどのカードの代わりとして使えるワイルドカードがあります。
ワイルドカードは以下のカードです。
  1. K(マクシ)
  2. 6(ベリ)
  3. 7(シェル・スピッツ)
  4. ♣7(アイヒェル・スピッツ)
  5. 切り札の7(か♠の時のみ)
  6. 切り札のJ
  7. 切り札のQ
上記1~4のカードを「恒久ワイルドカード」と呼びます。
番号が小さいほど強いカードになります。
ワイルドカードは、どのカードの代わりにもなります。手札に同じカードがあっても、既に出たカードであっても、場に同じカードがあってもかまいません。

ディール

じゃんけんなど適当な方法で最初のディラーを決めます。
以降ディーラーは時計回りに持ち回りで交代します。
カードをシャッフルした後、右隣のプレイヤーがカットします。
右隣のプレイヤーは、カットした上半分のカードの一番下のカードを自分で見ます。
そのカードが恒久ワイルドカードだった場合、そのカードを全員に見せて自分の手札にします。
その後カードを元の状態に戻して、再びカットをします。
これを上半分のカードの一番下のカードが恒久ワイルドカードでなくなるまで続けます。
カットして一番下のカードが恒久ワイルドカードでない場合は、カットしたカードが一番下になるようにしてカットを終了します。
ディラーはまず2枚ずつ、次に3枚ずつ、ディーラーの左隣のプレイヤーから時計回りに配ります。
このときすでに恒久ワイルドカードを手にしているプレイヤーがいれば、該当プレイヤーに配るときは、その分枚数を減らします。
各プレイヤーの手札は5枚になります。

切り札の決定

配り残りのカードから1枚を表向きにします。そのカードのスートが切り札になります。
それ以外のカードは裏向きのままにします。
もし切り札表示のカードが恒久ワイルドカードの場合でも、そのカードのスートが切り札になります。
例えば切り札表示のカードが6だった場合、切り札はになります。
切り札表示のカードが恒久ワイルドカードの場合、ディラーは恒久ワイルドカード以外で手札に切り札があれば、そのカードと交換することができます。
もしディーラーに該当のカードがなければ、ディラーのパートナーが交換できれば。交換します。
例えば切り札表示カードが6で、ディラーの手札に7以外のがあればそのカードと交換することができます。


プレイ

ディラーの左隣のプレイヤーが最初のリードプレイヤーになります。
リードプレイヤーから時計回りにプレイします。
リードプレイヤーは手札から何を出してもかまいません。
もしワイルドカードをリードでプレイする場合は、スートとランクを指定します。
指定しなかった場合は出したスートとランクのままになります。
以降のプレイヤーは以下の通りプレイします。
  1. リードプレイヤーが出したスートが手札にある場合は、そのスートを出すかまたは切り札を出します。
  2. リードプレイヤーが出したスートが手札にない場合は、切り札を含め何を出してもかまいません。
  3. 切り札がリードされた場合、手札に切り札があれば必ず出します。ただいワイルドカードは切り札以外のカードにもなりますので、出す必要はありません。
プレイで使ったカードは各プレイヤーの前に、左から順番に裏向きに置きます。

得点要素

このゲームでは3つの得点要素があります。どの得点要素も1点ですが。後述するビッドにより得点が上がります。
どの得点要素にもワイルドカードを使うことができます。
各ワイルドカードは得点要素ごとに別のカードの代わりとして使うことが出来ます。
トリック中に「あるカード」としてワイルドカードを使ったとしても、得点要素の時には別のカードとして使うことができます。
例えば例えば7をトリック中Kとして使っても、グライヒまたはハンガーでは♣Aとして使うことが出来ます。
1枚のワイルドカードを、グライヒ、ハンガーの時には一度決めたカードとして扱います。
例えば7を♠Aとしてグライヒで使った場合、ハンガーでも♠Aとしてみなします。
  • グライヒ:2枚以上の同じランクがある時、最も強いものを持っているプレイヤーのチームが得点します。強さは次のように決めます。
    • 枚数が多い方が強い
    • 同じ枚数であれば、ランクが強い方
    • ランクの強さは:A>K>Q>J>10>9>8>7>6
  • ハンガー:同じスートの2枚以上のシークエンスがあるとこ、最も強いものを持っているチームが得点します。強さは次のように決めます。
    • 枚数が多い方が強い
    • 同じ枚数であれば、ランクが強い方
    • ランクの強さは:A>K>Q>J>10>9>8>7>6
  • シュピール:プレイで3トリック取ったチームが得点します。

ベッド

各得点要素について、ベッドによって得点を1点上げることができます。
各自手札が配られた後、各プレイヤーは各得点要素について、ベッドすることができます。
ベッドはプレイ中に行っても構いません。
ベッドされた相手チームの誰でも、次のどれか1つを答えなくてはなりません。
  1. グッド:その得点要素での負けを認めます。ベッドで上げる前の得点がベッドをしたチームにつきます。
  2. ホールド:提案を受け入れ、その得点要素を1点上げます。
  3. レイズ:提案を受け入れたうえで、さらに1点上げることを提案します。
レイズが会った場合、相手チームは上記の1~3のいずれか1つを答えます。レイズを行っている間はベッドは終了しません。
ベッドが出来るのは、各得点要素でまだベッドが行われていないか、自分のチームが前回のベッドでホールドを選択した時です。
グライヒやハンガーをベッドでする時は、自分の手札に少なくとも1組のグライヒまたはハンガーがなければなりません。
5トリック目のリードが行われた時は、リードされたスートまたはワイルドカードを持っているプレイヤーのみがベッドを行うことができます。
各得点要素について、自分のチームの負けを認めることはできます。

ショーダウン

シュピールがベッドされ、いずれかのチームが「グッド」を宣言すると、プレイ途中であっても1ディール終了になります。
シュピールがベッドされていない場合は。5トリック終了後1ディール終了になります。
1ディール終了後、グライヒとハンガーの勝敗を決めるため、それぞれ次のどれかを行います。
決めるのはシュピールで得点を獲得したチームまたは、3トリック以上取ったチームになります。
  1. 負けを認める
  2. 手札からカードを出し相手のカードより強いグライヒやハンガーを作る
  3. ベッドを行う
上記を繰り返して勝敗と点数を決めます。

ゲーム終了

合計点が18点になったチームの勝利です。
同じディールで両チームが18点になった場合は、次の順番で先に18点に達したチームの勝利になります。
  1. 相手が負けを認めた得点要素の点数
  2. ベッドが行われたことのある得点要素の点数
  3. ベッドが全く行われなかった得点要素の点数
上記はグライヒ、ハンガー、シュピールの順に判定します。

ゲシュトリッヒェン

プレイ中でも、相手が負けを認めた点数で合計点が17点に達したチームは、ゲシュトリッヒェン状態になります。
ゲシュトリッヒェン状態になったチームはベッドを始めることはできません。
両チームがゲシュトリッヒェン状態で、グライヒまたはハンガーで負けを認めていない場合は、3枚以上のグライヒまたはハンガーを持っているチームが勝ちます。
どちらも3枚以上の場合は、枚数、カードの強さの順で決めます。

一度遊びました。
プレイ途中でもベッドが行われるため、プレイが中断することも時々起こってしまいます。
トリックテイキングの点数の要素は「シュピール」だけで、残りの2つは手役です。
そのため、トリックテイキングの要素がかなり薄いゲームに感じます。
トリックテイキングゲームを楽しむというより、お互いわいわい話し合って、ベッドの駆け引きを楽しむ、そんなゲームに感じました。


参考サイト

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