2019年12月19日木曜日

失われたホイスト

ジョフル・ホイスト(Joffre Whist)

ジョフル・ホイストは、Elliott Lynch氏が1909年にホイストから創作したトリックテイキングゲームです。
元々はリンチ・ホイストとされていましたが、1914年に改名したそうです。
コントラクト・ブリッジのシステムをベースに、500(ファイブ・ハンドレッド)のシステムを改修し、このゲームを創作したと記述されています。
4人ペア戦です。
通常のトランプ52枚を使います。ジョーカーは使用しません。
カードの強さ:A>K>Q>J>10>9>8>7>6>5>4>3>2
このゲームは時計回りに進行します。
ゲームを開始する前にプレイするディール数を決めておきます。


ディール

じゃんけんなど適当な方法で最初のディーラーを決めます。以降は時計回りに持ち回りで交代します。
ディーラーは裏向きのまま1枚ずつ、各プレイヤーの手札が13枚になるよう、時計回りに配ります。
配り残りはありません。

カードの得点(ジョフル)

1人で10と♠2の両方を取ると、追加で15点獲得します。
ジョフルトランプ・アタックをビッドした場合は、追加で50点獲得します。
10と♠2の2枚を「ジョフル」と呼びます。

カードの得点(ホーナー)

切り札のA,K,Q,Jの4枚を「ホーナー」と呼びます。
ノートランプの時は♣Jの1枚のみがホーナーになります。
全てのスートのA,K,Q,Jの全16枚を「ロイヤルホーナー」と呼びます。
「ホーナー」を取ると2点、「ロイヤルホーナー」を取ると8点追加で獲得します。
ホーナー、ロイヤルホーナーはパートナーと合わせて取っても得点を獲得できます。

ビッド

最初にディーラーの左隣のプレイヤーがビッドをするか、またはパスをします。
ビッドする場合は、パートナーと一緒に獲得できるトリック数と切り札にするスートを宣言します。
ビッド数を宣言する場合は、獲得トリック数から6を引いた数で宣言します。
例えば、獲得できるトリック数が9トリックの場合は、「3」と宣言します。
最低トリック数のビッドは「1」、最強は「7」になります。
つまりトリック数のビッドの強さは、ビッドの数が大きければ強くなります。
切り札のビッドの強さは:
ジョフルトランプ・アタック>切り札アタック>>♣>>♠>ノートランプ
です。
切り札アタック
切り札アタックを宣言するときはスートを1つ宣言します。
そのスートが切り札になります。
この宣言をする場合、少なくとも手札に4枚以上あるスートがなければ宣言できません。
最も多いスートが3枚以下の場合は、切り札アタックのビッドをすることはできません。
またこの宣言でビッドに勝った場合、パートナーが最初のリードプレイヤーになります。
パートナーは、少なくとも3回リードで切り札を出さなくてはなりません。
3回リードで切り札を出すまでは他のスートでリードすることはできません。
ただし最初から手札に切り札が1枚もない場合や、途中で切り札がなくなった場合は、他のスートでリードしてもかまいません。
ジョフルトランプ・アタック
ジョフルトランプ・アタックを宣言するときはスートを1つ宣言します。
そのスートが切り札になります。
この宣言を行うと、宣言した獲得トリック数以上勝つだけではなく、ペアのうち1人が10と♠2の両方を取らないと成功にはなりません。

直前のプレイヤーがビッドした場合、以降のプレイヤーは次のうちいずれか1つを行います。
  1. 直前のプレイヤーのビッドより強いビッドをする
  2. ダブルを宣言する
  3. パスをする
1.直前のプレイヤーのビッドより強いビッドをする:
ビッド数を上げるか、または切り札の強さのどちらかを上げます。
このゲームではビッドの強さは、切り札の強さ>獲得トリック数になります

2.ダブルを宣言する:
得点を倍にします。ダブルを宣言すると、直前のビッドと同じ宣言をしたことになります。
ダブルの宣言は、パートナーのビッドに対しては宣言することはできません。
またダブルの宣言は、各プレイヤー1回限り宣言することができます。
一度ダブルを宣言したプレイヤーは、以降ダブルを宣言することはできません。
ダブルを宣言された場合、以降のプレイヤーは、より強いビッドを宣言するか、パスをします。
より強いビッドが宣言された場合、ダブルの宣言はなくなります。
2.パスをする:
ビッドから降ります。一度パスをしたプレイヤーは、再びビッドに参加することはできません。

ビッドは誰か1人のこるまで続けます。
残った1人のプレイヤーがビッドの勝者になり、デクレアラーとなります。

プレイ

ジョフルトランプ・アタックのビッドでデクレアラーになった場合は、デクレアラーの左隣のプレイヤーが最初のリードプレイヤーになります。
それ以外はデクレアラーが最初のリードプレイヤーになります。
リードプレイヤーは手札から任意の1枚を表向きに出します。
以降時計回りに以下の通りプレイします。
  1. リードプレイヤーが出したスートがあれば、必ずそのスートを出します。複数ある場合はそのうちから任意の1枚を出します。
  2. リードプレイヤーが出したスートがない場合、切り札があれば必ず切り札を出します。複数切り札がある場合は、そのうちから任意の1枚を出します。
  3. リードプレイヤーが出したスートも、切り札もない場合は何を出してもかまいません。
切り札が出ていない場合は、リードプレイヤーが出したスートの中で一番強いカードを出したプレイヤーが勝ちます。切り札が出ている場合は、切り札の中で一番強いカードを出したプレイヤーが勝ちます。
勝ったプレイヤーは取ったトリック数がわかるように、1カ所に裏向きにして重ねて置きます。
勝ったプレイヤーがリードプレーヤーになります。
全員の手札がなくなったら1ディール終了になります。


得点計算

1ディール終了後、デクレアラーチームが獲得トリック数以上取っていれば、成功になります。
ただしジョフルトランプ・アタックの場合は獲得トリック数以上取った上で、デクレアラーが♠2と10の両方を取っていなければ、成功になりません。
それ以外はデクレアラーチームの失敗になります。
成功した場合は、実際に獲得したトリック数と宣言した切り札によって次の得点を獲得します。

「スラム」はビッドで「7」(全トリック)を宣言し、成功した場合の得点になります。
もしダブルの宣言があった場合は、上記の得点を2倍にします。
デクレアラーチームが失敗した場合は、ジョフルトランプ・アタックの場合は、
デクレアラーチームが宣言したビッドに対応する得点を2倍した点数を獲得します。
例えば、デクレアラーチームの獲得トリック数のビッドが「4」だった場合は、
80x2=160点を相手チームが獲得します。
それ以外は、相手チームが取ったトリック数から6を引いた数と、デクレアラーチームが宣言した切り札に応じて、得点を獲得します。
例えば、相手チームが8トリック取り、デクレアラーチームの切り札宣言がだった場合は、20点獲得します。
もしダブルの宣言があった場合は、相手チームの得点はさらに2倍になります。

またビッド宣言したかしないかに関わらず、ジョファー(10と♠2)を1人で取ったプレイヤーのいるチームは、追加で15点獲得します。
ジョファートランプ・アタックの宣言があった場合は、追加で50点獲得します。
ホーナーを取ったチームには追加で2点、ロイヤルホーナーを取ったチームは追加で8点獲得します。
上記の追加点はダブルの宣言があっても2倍にはなりません。

ゲーム終了

事前に決めたディール数が終了したら、ゲーム終了となります。
得点が高いペアの勝利になります。


ホイストというより、コントラクト・ブリッジに近い感じのゲームに感じます。
本文が難読な箇所があるせいか、わかりづらいゲームに感じました。
失われたというよりは、あまり脚光を浴びることのないゲームだったのかなという印象です。
ただ書籍自体は2016年再発行されています。
再発行の意図はわかりませんが、機会があれば遊んでみようかと思います。

失われた地図 恩田 陸


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