2019年12月17日火曜日

悪魔が来りてリードする

カーネフェル(Karnöffel)

カーネフェルはトランプを使った4人または6人でプレイするトリックテイキングゲームです。
このゲームはペア戦になります。
4人の時はペアになったプレイヤーは向かい合わせに座ります。
6人の時はペアになったプレイヤーは1人おきに座ります。
David Parlett氏によれば、このゲームは1426年にドイツのバイエルン州のネルトリンゲンの町で、都市条例により最初にトランプゲームとしてプレイされたそうです。
15世紀には多くの記録に残っているほど、南ドイツではよく遊ばれたようです。
その後カーネフェルは、イタリアのゲームに影響を及ぼしたと言われています。
今の切り札とは意味合いが異なりますが、初めて切り札が登場したのがこのゲームとのことです。
本当はドイツのトランプを使うようですが、ここでは通常のトランプで説明します。
通常のトランプよりAを除きます。ジョーカーは使用しません。
全部で48枚です。
このゲームは反時計回りに進行します。

ディール

最初のディーラーはじゃんけんなど適当な方法で決めます。以降ディーラーは反時計回り
に交代します。
ディーラーは使用する全てのカードをシャッフルした後、反時計回りに配ります。
最初に配る1枚だけ表向きに配ります。
表向きに配られた4枚の中で、最も低いカードのスートが切り札になります。
このときのランクの強さは:
K>Q>J>10>9>8>7>6>5>4>3>2
です。
もし4枚の中で最も低いカードが複数枚あった場合は、その中で一番先に配られたスートが切り札になります。
以降は裏向きのまま1 枚ずつ、各プレイヤーの手札が5枚になるよう配ります。
残ったカードは山札として裏向きのまま重ねて置きます。

カードの強さ

カードの強さは次の通りです。
David Parlett氏によれば、カーネフェルは「枢機卿」という意味とのことです。
カードの強さは、サイトによって若干異なります。
このブログではトランプ大全の強さを紹介します。

プレイ

ディーラーの右隣のプレイヤーが最初のリードプレイヤーになります。
リードプレイヤーが手札から1枚場に出します。以降反時計回りに手札から1枚場に出していきます。
リードで出されたカードに対してフォローの義務はありません。何を出してもかまいません。
出されたカードの中で一番強いカードを出したプレイヤーがトリックに勝ちます。
切り札の7は、リードの時のみ2番目に強くなります。
トリックに勝ったプレイヤーは、出されたカードを裏向きに集めます。
トリックに勝ったプレイヤーが次のリードプレイヤーになります。
先に3トリック取ったペアの勝利になります。

つい最近秋山さん主催の「トランプ勉強会」で遊びました。
とにかくカードの強さが複雑すぎて、遊ぶのに苦労するゲームです。
ゲーム自体はいたってシンプルであっさりした感じです。
楽しめなくはないですが、このカードの強さを覚えるまでではないような感じでした。
カーネフェルに関するブログやサイトを見ていると、そのときの歴史的背景や考察などが記載されているサイトが多数あり、興味深かったです。
切り札の7は「悪魔」とされています。
「悪魔」がリードの時しか強くならず、かつ悪魔的な強さになったとしても枢機卿には負けてしまいます。
なんだか当時の社会的な背景を忖度したような気がするのは、私だけでしょうか。

参考文献・参考サイト

トランプ大全 赤桐裕二 スモール出版
Historic Card Games by David Parlett
600 Jahre Karnöffelspiel
Playing History
WikiVisually

悪魔が来りて笛を吹く 金田一耕助ファイル 4 横溝正史

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