2017年9月5日火曜日

ハンド・ヤス(Hand Jass)

ハンド・ヤスは、スイス・ヤスのゲームの中では一番基本的なゲームと考えられています。
このゲームは3,4人向けですが2人でも遊べます。
後述しますがこのゲームは敗者確定のゲームになります。
通常のトランプよりジョーカー、各スートの2~5を除きます。全部で36枚使います。
このゲームは反時計回りに進行します。
まず4人プレイ時の説明をします。2人プレイ、3人プレイ時については後述します。
カードの強さならびに得点は切り札になった時と、そうでない時で強さが異なります。












またラストトリックを取ると5点がつきます。
点数の合計は157点です。


Weis

手札の中に手役がある場合は、得点にすることができます。
手役は同じスートで連続した数字の3枚以上(シークエンス)か、4枚の同じランク(フォーカード)のどちらかです。この手役のことを”Weis”といいます。
手役は以下の条件を満たしている必要があります。

  • シークエンスは「切り札以外」の並び順であること。
  • フォーカードの場合は、A,K,Q,J,10のいずれかであること。例えば9のフォーカード、8のフォーカードは手役になりません。手役の強さは下記の表の通りです。


最上段が最も強い手役で、下の段にいくほど弱い手役になります。
つまりJのフォーカードが最も強く、3枚のシークエンスが最も弱い手役になります。
手札に複数の手役がある場合は、その組み合わせに応じて点数にすることができます。
ただし1枚のカードを複数の手役に使うことはできません。
例えば、Aが4枚あり、K,Qがあった場合はAのフォーカードは得点にできます。
ただしAをもう一度使って、A,K,Qの3枚のシークエンスは得点にすることはできません。
手役の宣言は手札の中で一番得点が高い手役のみを宣言します。
もし複数プレイヤーが手役を宣言した場合は、最も強い手役を宣言したプレイヤーのみ得点にすることができます。
手役の強さは以下に従って判定します。
  • 最も強い手役が勝ちます。
  • 最も強い手役が複数ある場合は、手役の枚数の多い方が勝ちます。
  • 枚数も同じ場合は、「切り札以外」のカードの強さでより強いランクのカードの方が勝ちます。
  • 枚数、ランクも同じ強さの場合は、切り札スートの方が勝ちます。
  • 枚数、ランクも同じで、かつどちらも切り札スートでない場合は、ディーラーの右隣に近いプレイヤーが勝ちます。
また手役とは別に切り札スートのKとQが手札にある場合は、20点獲得できます。
切り札のKとQを「ストック(Stöck)」と呼びます。

ディール

最初のディーラーをジャンケンなどの適当な方法で決めます。以降反時計回りに持ち回りで交代します。
各プレイヤーに3枚ずつ配ります。最後の1枚を表向きにします。
このスートが切り札になります。このカードはディラーの手札になります。
各プレイヤーの手札は9枚になります。

ゲームへの参加・不参加の決定

各プレイヤーは自分に配られた手札を見た上で、ディーラーの右隣から反時計回りに、ゲームに参加するかしないかを宣言します。
ゲームに参加する場合は、26点以上取ることを目指します。
もし26点未満だと「ポテト」と呼ばれ、失点になります。
ゲームに参加しない場合は、得点することはできませんが、失点は免れます。
もし1人だけゲームに参加となった場合は、プレイすることなく、即座に参加した唯一のプレイヤーが2点獲得します。

プレイ

ディーラーの右隣のプレイヤーが最初のリードプレイヤーになります。
該当のプレイヤーがゲームに参加していない場合は。反時計回りで最もディーラーに近いプレイヤーが最初のリードプレイヤーになります。
最初にプレイする際、手札に手役がある場合は手役の宣言をします。
手役の宣言は手札の中で一番強い手役のみ宣言できます。また直前に宣言された手役より強い手役しか宣言できません。
手役を宣言する際は、手役のみを公開します。
手役を宣言する必要がない場合は、手役を公開する必要はありません。
リードプレイヤーは手札から任意の1枚表向きに場に出します。
以降は反時計回りに以下のルールに従いプレイします。
  1. リードプレイヤーが切り札を出し、手札に切り札がある場合は必ず切り札を出さなくてはなりません。ただし切り札がJの1枚だけの場合に限り、切り札のJを出す必要はありません。
  2. リードプレイヤーが切り札以外を出し、フォローできる場合は、そのスートを出すかまたは切り札を出してもかまいません。
  3. フォローする場合は、リードで出されたスートのうち任意の1枚を出します。
  4. リードプレイヤーが出したスートがない場合、以下の4に該当しなければ、何をだしてもかまいません。
  5. 切り札以外のカードがリードで出され、かつすでにいずれかのプレイヤーが切り札を出した場合、場に出された切り札より強い切り札を出さなくてはなりません。ただし手札が切り札しかない場合は、より強いカードを持っていても弱い切り札を出すことができます。切り札が出ている場合は、切り札の中で一番強いカードを出したプレイヤーが、そのトリックを取ります。
切り札が出ていない場合は、リードされたスートの中で一番強いカードを出したプレイヤーが、そのトリックを取ります。
トリックで取ったカードは裏向きにして自分の脇に置きます。
ルール上明記されていませんが、取ったカードはいつ見てもかまいません。
「ストック」は2枚目(切り札のKまたはQ)をプレイする際に宣言します。
手役とは違い最初のトリックで宣言する必要はありません。
手役の宣言、「ストック」の宣言を忘れた場合は得点にすることはできませんので、注意してください。
また「ストック」宣言できるのは切り札のKとQを持っている時のみです。
参加しているプレイヤーの手札がなくなったら1ディール終了です。

得点

1ディール終了後、取ったカードの得点、手役の得点、「ストック」の得点を合計します。またラストトリックを取った場合は5点が加点されます。
得点を合計し、最終的な得点に換算します。
26点未満の場合は「ポテト」と呼ばれ、-1点になります。
26点以上獲得したプレイヤーで最も高い得点を取ったプレイヤー、次に高い得点を取ったプレイヤー2人は+1点を獲得します。
もし最も高い得点が3人以上いる場合(2番目が2人以上いる場合)は、カードをシャッフル後、1枚カードを引きます。一番ランクの高いプレイヤーが+1を獲得します。
1人除いて全員が26点未満の場合は、26点以上取ったプレイヤーは+2点を獲得します。
2人だけゲームに参加し、お互い推定上26点以上とれそうな場合は、2人のプレイヤーはともに+1点を獲得します。もし疑わしい場合は、実際にプレイをします。
ゲームに参加しなかったプレイヤーは得失点は発生しません。
スコアは、プラス点は縦棒1本、マイナスの時は○で表現します。
もし7点以上になったプレイヤーは勝ち抜けになり、ゲームから抜けます。
1人だけ残るまでゲームを続けます。

3人プレイのルール

3人プレイの時(脱落して3人になった場合)、以下のルールで行います。
ディール
各プレイヤーの手札が9枚になるよう、3枚ずつ配ります。残った9枚は裏向きのまま、山札として場の中央におきます。このゲームでは山札のことを「ブラインド」と呼びます。
ディーラーは「ブラインド」の一番上のカードを表向きにします
。表向きなったカードのスートが切り札になります。
各プレイヤーは手札を見た後、ディラーの右隣から以下の3つからいずれか1つを選びます。

  1. 今の手札のままゲームに参加する。
  2. ゲームに参加しない。
  3. 手札を全て捨てて、「ブラインド」を手札にしてゲームに参加する。

「3」を選択した場合は、手札を全て捨てて、「ブラインド」を手札にします。
この選択をした場合、必ずゲームに参加しなければなりません。
「3」がすでに選択済みの場合は、「1」か「2」しか選択できません。
それ以外は4人プレイと同じです。
もし3人とも26点未満の場合は、全員-1点になります。
もし手札に6枚切り札を持っているプレイヤーは、切り札歩表示のカードと交換することができます。交換した場合、手札から1枚選び「ブラインド」に置きます。
「3」を選択したプレイヤーがいる場合は、上記の交換が終わった後に手札と交換します。

2人プレイのルール

2人プレイの時(脱落して2人になった場合)、以下のルールで行います。
各プレイヤーの手札が9枚になるよう、3枚ずつ配ります。
残ったうちの9枚は裏向きのまま、山札として場の中央におきます。
このゲームでは山札のことを「ブラインド」と呼びます。
残りの9枚は「倉庫」として裏向きのまま場に置きます。「倉庫」の一番上のカードを表向きにします。このカードのスートが切り札になります。
ノンディーラーは手札を見た後、以下の3つからいずれか1つを選びます。
  1. 今の手札のままゲームに参加する。
  2. ゲームに参加しない。
  3. 手札を全て捨てて、「ブラインド」を手札にしてゲームに参加する。
「3」を選択した場合は、手札を全て捨てて、「ブラインド」を手札にします。この選択をした場合、必ずゲームに参加しなければなりません。
「3」がすでに選択済みの場合は、ディラーは「1」か「2」しか選択できません。
 ノンディラーが「1]か「2」を選択した場合、ディラーも同じ選択をします。
もし手札に6枚切り札を持っているプレイヤーは、切り札歩表示のカードと交換することができます。
交換した場合、手札から1枚選び「倉庫」に置きます。
それ以外は4人プレイと同じです。
 もし2人とも26点未満の場合は、2人とも-1点になります。

バリエーション

ゲーム終了条件
ゲーム終了を9点以上、または短縮して5点以上にすることができます。またプレイ人数より少ない点にすることもできます。
3人プレイのバリエーション
ディラーは3枚ずつ各プレイヤーの手札が9枚になるように配ります。
ディラーは最後のカードの1枚を表向きにします。このカードのスートが切り札になります。
このカードはディラーの手札になります。手札に切り札が6枚あっても交換はできません。
残った9枚は裏向きのまま山札にします。
このバリエーションでは山札のことを「ベッサーン(Bessern)」と呼びます。
各プレイヤーは「ベッサーン」との交換ができます。
交換する際は手札から3枚捨てて、「ベッサーン」から3枚手札に加えます。
「ベッサーン」と交換しても「ゲーム参加しない」を選択することができます。
2人プレイのバリエーション
ディラーは3枚ずつ各プレイヤーの手札が9枚になるように配ります。ディラーは1枚を表向きにして場に置きます。このカードのスートが切り札になります。手札に切り札が6枚あった場合、切り札表示のカードと交換することができます。さらにディラーは「ベッサーン」として、裏向きに3枚各プレイヤに配ります。この3枚は手札に加えず、裏向きのまま場に置きます。各プレイヤーは「ベッサーン」との交換ができます。交換する際は手札から3枚捨てて、「ベッサーン」から3枚手札に加えます。「ベッサーン」と交換しても「ゲーム参加しない」を選択することができます。
得点のバリエーション
いずれか1人以上のプレイヤー「ポテト」になった場合、追加点がもらえます。

  • 1人が「ポテト」の場合、最も高い得点を取ったプレイヤーに追加で+1点与えられます。
  • 2人が「ポテト」の場合、最も高い得点を取ったプレイヤーに追加で+2点与えられます。手札に切り札が6枚あっても交換はできません。
  • 3人が「ポテト」の場合、最も高い得点を取ったプレイヤーに追加で+3点与えられます。
手札のバリエーション
2人、3人プレイの時、各プレイヤーの手札を12枚ずつにします。「ベッサーン」はありません。
Berner Handjass
最終的な得点、失点を切り札によって乗数で掛けます

  • 切り札がの場合:4倍
  • 切り札がの場合:3倍
  • 切り札が♣の場合:2倍
  • 切り札が♠の場合:1倍


「ミットレール・ヤス」とは違い、積極的に得点を狙うゲームで、これはこれで面白そうです。時間がかかるゲームと思われますので、じっくりと遊ぶゲームだと思います。
PAGAT.COM

0 件のコメント:

コメントを投稿