メグレ警視はブロットがお好き
ブロットは1914年とトランプゲームにしては、比較的最近にフランスに普及された、トリックテイキングゲームです。このゲームは4人ペア戦が基本ですが、2人または3人でも遊べるゲームです。
通常のトランプよりジョーカー、各スートの2~6を除いた32枚を使います。
このゲームは時計回りに進行します。
ゲームの目的:1000点以上先取
カード強さと得点
下記の表の通りです。最後のトリックを取ると10点獲得します。
手役
配られた手札の中に次のような組み合わせがあれば、得点を獲得できます。カレ
同じランクでかつ9以上のカード4枚(フォーカード)。例えばAが4枚あれば「カレ」になります。
- Jの4枚:200点
- 9の4枚:150点
- Aの4枚:100点
- 10の4枚:100点
- Kの4枚:100点
- Qの4枚:100点
シークエンス
同じスートの3枚以上の連続したカード。例えば♠Q、♠J、♠10の3枚があれば「シークエンス」になります。
カードのランクの強さはA>K>Q>J>10>9>8>7になります。
6枚以上のシークエンスは、5枚扱いになります。
シークエンスの点数は以下の通りになります。
- 3枚のシークエンス:20点
- 4枚のシークエンス:50点
- 5枚のシークエンス:100点
ブロット
手札に切り札のKとQがあれば20点獲得します。
手役の強さの判定
ブロット以外の手役は、最も強い手役を持っているチームしか得点を獲得できません。
手役の強さは以下の通りです。
ブロットの点数は宣言すれば必ずもらえます。
手役の強さは以下の通りです。
- 「カレ」の方が「シークエンス」より強い
- 同じ「カレ」では点数の高い「カレ」が強い
- 同じ点数の「カレ」ではランクの高い方が強い。ランクの高さはA>K>Q>J>10>9>8>7
- 同じシークエンスでは枚数が多い方が強い。ただし6枚以上あっても5枚とみなします。
- 同じ枚数のシークエンスでは、お互いのシークエンスで最も高いランクを比較し、よりランクの高い方が強い。ランクの高さはA>K>Q>J>10>9>8>7
- 同じ枚数、同じランクの強さのシークエンスでは切り札の方が強い
- 同じ枚数、同じランクの強さのシークエンスで、切り札以外の時は、ディーラーの左隣から時計回りでより早い順で決める
ブロットの点数は宣言すれば必ずもらえます。
ディール
トランプを1枚引いて。最も低いランクのカードを引いたプレイヤーが、最初のディーラーになります。
このときのランクの強さはA>K>Q>J>10>9>8>7になります。
最も高いランクを引いたプレイヤーは、座る位置を決めます。
ディラーは最も高いランクを引いたプレイヤーの右隣に座ります。
最も高いランクを引いたプレイヤーは、座る位置を決めます。
ディラーは最も高いランクを引いたプレイヤーの右隣に座ります。
以降ディラーは時計回りに持ち回りで交代します。
ディラーはシャッフルした後、時計回りに各プレイヤーに3枚ずつ配り、次に2枚ずつ配ります。
その後、まだ配っていないカードのうち1枚を表向きにして場の中央に置きます。
このカードのスートが切り札後方になります。
その後、まだ配っていないカードのうち1枚を表向きにして場の中央に置きます。
このカードのスートが切り札後方になります。
ビッド
ディラーの左隣から時計回りにビッドを行います。
ビッドは切り札候補カードを切り札スートとして受け入れるか、またはパスをします。
誰かが切り札スートとして受け入れた瞬間に、ビッドは終了します。
最初の1巡で全員パスした場合は、もう1巡ビッドをします。
2週目のビッドでは、切り札候補のスート以外を切り札スートとして宣言するか、「またはパスをします。
2週目も全員パスした場合は、ディラーを交代しカードを配り直します。
残りのカードのディール
ビッド終了後ディラーは配り残しのカードを配ります。配る枚数は、切り札を決めたプレイヤーには2枚、それ以外のプレイヤーには3枚配ります。
その後切り札を決めたプレイヤーは、場の中央に置かれた切り札候補のカードを手札に加えます。
手役の宣言
各プレイヤーは最初のプレイの時に、プレイ前に「ブロット」以外の手役があれば宣言できます。
宣言はシークエンスの時は、「シークエンス4枚」というように枚数を言って宣言します。
ディラーの左隣のプレイヤーが最初のリードプレイヤーになります。
カレの時は、「Jのカレ」というように、ランクを言って宣言します。
すでに自分より強い手役の宣言があった場合や、手役を宣言したくない場合は、何も言わなくてもかまいません。
同じ枚数のシークエンスが先に宣言されており、自分も同じ枚数のシークエンスで宣言する場合は、ひとまず枚数だけを宣言します。
最初のプレイ終了後、時計回りに同じ枚数のシークエンスを宣言したプレイヤーは、自分が持っているシークエンスの中で一番強いランクを宣言できます。
宣言するかしないかは、この場合も自由です。
同じ強さのランクだった場合は、どちらかが切り札スートかを確認します。
どちらも切り札スートでない場合は、席順で優劣を決めます。
最も強い手役の宣言をしたプレイヤーと、そのパートナーは、手札に手役があれば全て宣言することができます。
ただし手役は全て公開しなくてはなりません。見せた後は手札に戻します。
最初のプレーで出したカードを手役として使う場合は、手札に戻さずに場に出したままにします。
ただし手役は全て公開しなくてはなりません。見せた後は手札に戻します。
最初のプレーで出したカードを手役として使う場合は、手札に戻さずに場に出したままにします。
ブロットの宣言
ブロットの宣言は少し特殊です。
切り札のK,Qを手札に持っており、プレイ時に切り札のKまたは切り札Qを出すときに「ブロット」と宣言します。
さらに残りの切り札のQまたは切り札Kを出すときに「ルブロット」と宣言しなければなりません。
この宣言のどちらかを忘れると得点は獲得できません。
プレイ
フォローのルールは以下に従います。
➢切り札がリードされた時
- 今までに場に出た切り札より強い切り札を持っている場合は、必ず出さなければなりません。強い切り札が複数ある場合、どれを出してもかまいません。
- 弱い切り札しかない場合、弱い切り札のうちいずれか1枚を出します。
- 切り札が1枚もない場合は、何を出してもかまいません。
➢切り札以外がリードされた時
- リードされたスートを持っている場合、リードされたスートを出さなければなりません。ただし強いカードを出す必要はありません。
- リードされたスートがない場合、パートナーが切り札以外で既に強いカードを出している時は、何をだしてもかまいません。
- リードされたスートがない場合、パートナーが切り札を出していて、切り札を出すときは、それより強い切り札があるときは、より強い切り札のうちいずれか1枚を出します。パートナーが出した切り札より弱い切り札しかない場合は、弱い切り札うちいずれか1枚を出します。切り札を出さない場合は、切り札以外なら何を出してもかまいません。
- リードされたスートがない場合、パートナーが弱いカードを出している場合、今出ている切り札より強い切り札があれば、より強い切り札のうちいずれか1枚を出します。弱い切り札しかない場合は、弱い切り札うちいずれか1枚を出します。切り札がなければ何を出してもかまいません。
トリックを取ったプレイヤーが次のリードプレイヤーになります。
最後のトリックを取ったプレイヤーのチームに10点が付きます。
得点
各チームは以下の得点を集計します。
- トリックで取ったカードの合計点
- 最後のトリックの点数(10点)
- 宣言した手役の点数(カレまたはシークエンス、ブロット)
もしどちらかのチームが全トリックを取った場合は、自チームの合計点に252点を加算します。
ゲームの終了
どちらかのチームが1000点以上になったら、ゲーム終了です。
得点が高いチームの勝利です。
2人プレイ、3人プレイのバリエーション
1度目のディールは4人プレイと同様に5枚ずつ配ります。
2度目のディール(切り札が決まった後のディール)は、切り札を決めたプレイヤーを含めて、3枚ずつ配ります。
残ったカードは切り札候補のカードの脇に、裏向きのまま置いておきます。
切り札候補のカード、残ったカードはゲーム中使うことはありません。
3人プレイでは、切り札を決めたプレイヤーは最も高い得点を取る必要があります。
それ以外は4人プレイと同じです。
2度目のディール(切り札が決まった後のディール)は、切り札を決めたプレイヤーを含めて、3枚ずつ配ります。
残ったカードは切り札候補のカードの脇に、裏向きのまま置いておきます。
切り札候補のカード、残ったカードはゲーム中使うことはありません。
3人プレイでは、切り札を決めたプレイヤーは最も高い得点を取る必要があります。
それ以外は4人プレイと同じです。
作家ジョルジュ・シムノンが書いた推理小説「メグレ警視」シリーズに、よく「ブロット」で遊ぶという、描写がよく見られます。
「メグレと宝石泥棒」、「メグレ氏ニュ-ヨークへ行く」、「メグレの途中下車」など。
作品によっては、メグレ警視自身がブロットを遊んでいることもあります。
作者もブロットが好きだったのではないでしょうか。
参考サイト
ゲームファーム
ウィキペディア
知っているようで知らないフランスのテーブルゲーム
雑記帳
PAGAT.COM
Britannica.com
「メグレと宝石泥棒」、「メグレ氏ニュ-ヨークへ行く」、「メグレの途中下車」など。
作品によっては、メグレ警視自身がブロットを遊んでいることもあります。
作者もブロットが好きだったのではないでしょうか。
参考サイト
ゲームファーム
ウィキペディア
知っているようで知らないフランスのテーブルゲーム
雑記帳
PAGAT.COM
Britannica.com
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