2017年9月19日火曜日

イタリアン・ホイスト(Italian Whist)

イタリアン・ホイストは3人限定のトランプを使ったトリックテイキングゲームです。
A. Chart, S. Drew 及び T. Phippの3人が創作しました。
前述の通り3人用です。
使うトランプは、通常のトランプに2枚のジョーカーを加えた54枚です。
ジョーカー2枚の区別がつきやすいトランプを使うことをお勧めします。
ここでは便宜上「赤ジョーカー」と「黒ジョーカー」と表現しますが、見分けがつくのであれば何色でもかまいません。
カードの強さ:A>K>Q>J>10・・・2の順です。
切り札、ジョーカーについては後述します。
このゲームは時計回りに進行します。
ゲーム開始前に予めプレイするディール数、または目標点数(失点でもかまいません)を決めておくことをお勧めします。

ディール

最初のディーラーをジャンケンなどの適当な方法で決めます。以降時計回りに持ち回りで交代します。
各プレイヤーに手札が18枚になるよう配ります。
プレイ開始前に手札を見た後、9枚を裏向きに場に置きます。裏向きに場に置いた9枚を「第2の手札」と呼びます。
残りの9枚は最初の手札になります。
「第2の手札」はディールによって渡す相手が異なります。
理由は後述しますが「第2の手札」はできるだけトリックをとらないように調整します。

各ディールの切り札・手札の渡し方

切り札、「第2の手札」の渡し方は下記表の通りです。










プレイ

プレイ開始前に「第2の手札」を相手に渡します。「第2の手札」は、最初の9枚がなくなるまでは見ることはできません。
「第2の手札」を相手に渡す場合は、裏向きのまま全て渡します。
「第2の手札」は自分の脇に置きます。
ディーラーの左隣のプレイヤーが最初のリードプレイヤーになります。
ゲームはマストフォローのトリックテイキングゲームになります。
リードプレイヤーは手札から任意の1枚表向きに場に出します。
以降時計回りに1枚ずつプレイします。
リードで出されたスートがある場合は、必ずそのスートを出します。
ない場合に限り、何を出してもかまいません。
切り札が出された場合は、切り札の中で一番強いカードを出したプレイヤーがトリックをとります。
切り札がでなかった場合、リードで出されたスートのうち、一番強いカードを出したプレイヤーがトリックをとります。
プレイしたカードはトリック数がわかるように置きます。
ジョーカー
「赤ジョーカー」は、またはとしてみなします。
「黒ジョーカー」は、♠または♣としてみなします。
ジョーカーはリードまたはフォローでの出し方は下記の通りです。
・フォローで出す場合
  1. リードで出されたスートと同じ色のジョーカーを出さなければなりません。フォローで出した場合は、ジョーカーはリード出だされたスートになります(勿論ジョーカーを出さずにリードされたをスートを出してもかまいません)。
  2. リードで出されたスートと同じ色のジョーカーがなく、そのスートもない場合に限り、別の色のジョーカーを出してもかまいません。勿論別の色のジョーカーを出さずに別のスートを出すこともできます。
  3. 別の色のジョーカーを出した後に、その色のスートが出なかった場合は、スートを指定することができます。例えばがリード出だされ、黒ジョーカーを出し、その後が出された場合、黒ジョーカーを出したプレイヤーがジョーカーのスートを、♣か♠にするかを決めます。
  4. 別の色のジョーカーを出した後に、同じ色のスートが出された場合、黒ジョーカーはそのスートになります。
  5. ジョーカーのランクは、全員がプレイした後に指定します。そのトリックにおいて、リードスートで出されたランク以外を指定することができます。例えば♣J、黒ジョーカー、♣3の場合、黒ジョーカーはJ、3以外を指定します。
・リードで出す場合

  1. ジョーカーがリードで出された場合は、同じ色のスートがあれば必ず出さなければなりません。リードの次のプレイヤーは、同じ色のスートが2つある場合は、どちらか1つのスートを選んで出します。3番目のプレイヤーは、2番目に出されたスートをフォローしなければなりません。
  2. リードで出した場合は、直後に出された同じ色のスートになります。例えば赤ジョーカーをリードで出し、の順で出された場合、赤ジョーカーはになります。
  3. ジョーカーをリードで出し、同じ色のスートが1枚も出なかった場合、リードプレイヤーが全員プレイした後にジョーカーのスートを指定します。
  4. ジョーカーのランクはトリック終了後に指定します。そのトリックにおいて、直後に出されたスートのランク以外を指定することができます。例えば赤ジョーカー、A、10の場合、赤ジョーカーはA、10以外を指定します。
  5. 同じ色のスートが1枚も出なかった場合は、リードでジョーカーを出したプレイヤーが、全員プレイした後に好きなスートとランクを指定できます。

全員の手札がなくなったら、自分の脇に置かれている「第2の手札」を自分の手札にします。
「第2の手札」を手札にした後は、ディーラーの右隣のプレイヤーが最初のリードプレイヤーになります。
以降同様にプレイを行います。
全員の手札がなくなったら1ディール終了です。

得点

最初の手札のトリック数-第2の手札のトリック数の差が得点になります。
例えば最初の手札のトリック数が5で、第2の手札のトリック数が3の場合は2点、最初の手札のトリック数が2で、第2の手札のトリック数が6の場合は-4点になります。

ゲーム終了

ゲーム開始前に予めプレイするディール数、または目標点数(失点でもかまいません)に達したらゲーム終了です。

手札を交換するゲームはいくつかありますが、2ステージに分けて後半で交換するトリックテイキングゲームは珍しいです。
この交換がかなり効いているゲームだと思います。

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