2019年12月25日水曜日

いまさらチップといわれても

グリーク(Gleek)

グリークは、David Parlett氏が文献から再構築した、3人用のトリックテイキングゲームです。
16世紀から18世紀にかけてイギリスで盛んに遊ばれたそうですが、現在では遊ばれていないそうです。
トリックテイキングゲームというより、ギャンブルゲームに近いです。
通常のトランプより各スートの2と3を除きます。
全部で44枚になります。
カードの強さ:A>K>Q>J>10>9>8>7>6>5>4
このゲームは時計回りに進行します。
このゲームではチップが必要になります。予めご用意ください
ゲームを開始する前に各プレイヤーの所持チップ数を決めておきます。
またゲーム終了条件は特に決まっていません。
予めプレイするディール数か、誰かチップをなくなったらゲーム終了にします。
このゲームは次の4つのステージからなります。
  1. ドロー(Bidding for the stock
  2. バイ(Vying the ruff)
  3. グリークとムーニバル(Gleeks and mournivals)
  4. トリックプレイ(Trick-play)

ディール

じゃんけんなど適当な方法で最初のディーラーを決めます。以降は時計回りで持ち回りで交代します。
ディーラーはシャッフルした後、裏向きのまま4枚ずつ、3回配ります。
各プレイヤーの手札は12枚になります。
残りったカードのうち1枚を表向きにします。このカードのスートが切り札になります。
このカードを「切り札表示カード」と呼びます。
切り札表示カードのランクが「4」だった場合、ディーラーは各プレイヤーから4チップずつもらいます。
残りの7枚は山札として裏向きのまま重ねて置きます。

ドロー

手札が配られた後、山札と手札を交換する権利を得るためのビッドを行います。
ビッドは支払うチップ数になります。
ディーラーの左隣のプレイヤーは、強制的に12をビッドします。
その後時計回りにビッドをするか、パスをします。
ビッドする場合は、直前のビッドより高い数のビッドを宣言します。
一度パスをした場合は、以降ビッドをすることはできません。
3人のうち2人がパスをするまでビッドを続けます。
残った1人が他の2人にビッド出宣言した数を2等分して、2人にチップを払います。
例えば18とビッドした場合は、2人に9チップずつ支払います。
もし奇数のビッドだった場合は、直前にパスしたプレイヤーが端数をもらいます。
チップを支払ったプレイヤーは、手札から7枚裏向きに捨てた後、山札7枚全てを手札に加えます。
切り札表示カードは、手札に加えることは出来ません。


バイ

次にポーカーに似たゲームを行います。
各プレイヤーは、各スートごとにカードの点数を集計します。
カードの点数は次の通りです。
  • A:11点
  • K,Q,J:各10点
  • 2~10:数字そのまま
例外としてA・4枚は最も強い手役になります。
ディーラーの左隣のプレイヤーから時計回りに「バイ」を宣言するか、パスをします。
最初に「バイ」をビッドした場合、2チップを賭けることになります。
もし誰も「バイ」を宣言せず、全員パスをした場合は、次のディールでは4チップになります。
その次のディールで誰も「バイ」を宣言せず、全員パスした場合、次のディールでは6チップになります。
いずれか1人が「バイ」を宣言した場合、次のプレイヤーから次のうちいずれか1つを行います。
  1. 「リバイ」を宣言する:賭けるチップを2倍にします。
  2. 「シー」を宣言する:現在賭けているチップで勝負をします。リバイがあった場合は、2倍のチップを払うことになります。
  3. 「パス」をする:「バイ」または「リバイ」を宣言した後パスをした場合、その分チップを支払います。その場合は、自分の前にチップを置くと良いでしょう。
ポーカー用語で置き換えるならば、「リバイ」は「レイズ」、「シー」は「チェック」、「パス」は「フォールド」になります。
宣言したチップは宣言だけで、ポーカーのように自分の前で置く必要はありません。
「バイ」または「リバイ」宣言後、残りの2人が「シー」を宣言するか、または1人がシーを宣言し、もう1人が勝負を降りるパスをした場合、 降りていないプレイヤーは自分の最も点数の高いスートのカードをすべて公開します。
 最も点数の高いプレイヤーが賭けたチップを他のそれぞれのプレイヤーからもらいます。 最高点が同点のときは、残りのプレイヤーの賭けたチップを分け合います。
もし2人ともパスをした場合は、公開をすることなく賭けたチップをもらいます。


グリークとムーニンバル

次に各プレイヤーは自分の手札の中で次の組合せがあれば、各プレイヤーからチップをもらうことが出来ます。
複数組合せがあれば、その分宣言してもかまいません。
同じ組合せの宣言を全員がした場合は、相殺した方が良いと思われます。

トリックプレイ

最後にトリックテイキングゲームを行います。
ディーラーの左隣のプレイヤーが最初のリードプレイヤーになります。
リードプレイヤーは手札から任意の1枚を表向きに出します。
切り札のA,K,Q,Jをプレイしたときは、そのことを宣言します。
以降時計回りに以下の通りプレイします。
  1. リードプレイヤーが出したスートがあれば、必ずそのスートを出します。複数ある場合はそのうちから任意の1枚を出します。
  2. リードプレイヤーが出したスートがない場合、何を出してもかまいません。
切り札が出ていない場合は、リードプレイヤーが出したスートの中で一番強いカードを出したプレイヤーが勝ちます。切り札が出ている場合は、切り札の中で一番強いカードを出したプレイヤーが勝ちます。
勝ったプレイヤーは取ったトリック数がわかるように、1カ所に裏向きにして重ねて置きます。
勝ったプレイヤーがリードプレーヤーになります。
全員の手札がなくなったらプレイ終了になります。

得点

プレイ終了後、各プレイヤーは1トリックにつき3点獲得します。
さらに手札にあったA,K,Q,Jについて、次の得点を獲得します。
もし切り札表示カードがA,K,Q,Jのいずれかだった場合、ディーラーがその得点を獲得します。
合計66点になります。
チップのやりとりは、得点の平均点22点とその差額1点につき1チップで精算します。
もし切り札のA,k,Q,Jが捨て札にされた時は、その分平均点を下げてから精算します。

ゲーム終了

事前に決めたディール数が終了するか、またはいずれか1人のチップがなくなったらゲーム終了となります。
一番チップの多いプレイヤーの勝利になります。


16世紀のゲームとしては、かなり欲張りなゲームです。
もしかしたらポッヘンに影響を受けたゲームなのかもしれません。
ポーカーとの直接の関係はわかりませんが、「リバイ」や「シー」はポーカーに受け継がれたのかもしれません。
どこかで機会があれば遊んでみたいと思います。
皆様良いお年をお過ごしください。
参考サイト
ゲームファーム
Historic Card Games
Wikipedia
Generic Waks Family Home Page

いまさら翼といわれても (角川文庫)米澤 穂信




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